コラム

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第一回「人事情報システムにERPは必要か」

[ 掲載日 ]2012/03/19

[ 掲載日 ]2012/03/19

本日から2004年から始めた「めるまが」の「人事情報システム開発室」を、 アーカイブ版として掲載していきます。第一回は「人事情報システムにERPは必要か」です。

まずは大企業向きのパッケージから見てみましょう。

1 統合型人事情報システムパッケージSAP(R/3)

オラクル(E-Business Suite)
ピープルソフト(People8)

Works(Company)
東芝(Generalist)
電通国際 (Positive)
富士通(Grovia)
クレオ(Zeem)
住商情報(ProActive)
カシオ(ADPS)

上記の3つは外国製のERPと呼ばれるパッケージ群の人事モジュールと呼ばれる製品です。 ERPとERPパッケージとは厳密な意味では異なるのですが、企業の基幹系の統合システムをパッケージ化したものです。 従って、人事だけではなく、生産管理や会計、物流といった柱になるものが有機的に作られていいます。 こういったパッケージ作るのはかなり大変な投資にもなるので、製品も高価なものになってきます。
表1の第二段にあるのは国産の主要なパッケージです。 有名なものをリストアップしましたので、多少はご存じのものがあるでしょう。

統合型というのは、人事を中心に給与等の人事が必要としているシステムをまとめたもので、 従来サブシステムと呼ばれていたものも含まれています。どこまで機能が揃っているかは製品によってバラツキがありますが、 コンセプトは統合システムということになっています。

統合型の特徴は、個人の人事データがマスターとなって、給与や福利厚生などと連携していることです。 当然、一度入れた個人データは給与や福利厚生の諸機能でも活用されることになりますので、効率的な管理が可能になります。 情報はは多面的な活用を前提として作られており、個人を識別する社員コードや内部IDをキーとしてデータベース化されています。


2 人事・給与個別システムパッケージ

個別の人事系パッケージは、パソコン量販店で売っている1~2万円のものから、 ネットワークに対応したものまでありますが、 人事と給与は別々に販売する形になっています。 最近の傾向では、人事の情報をうまく利用できる給与パッケージも出ていますが、 大体が給与計算できれば良いという、中小企業のニーズにあった価格の安いパッケージです。 ただ、これらは特に人事管理の特定のニーズがある企業が利用するというより、給与計算や勤怠管理の直接的な必要性で導入するものですから、 ここでの議論からはずします。

システムとして、企業人事管理の実現性を検討するものとしては、やはり統合型のパッケージを検討すべきです。 それは、データベースの作り方から異なるため、多少意図した活用を考えた場合、 個別型の人事システム給与システムでは限界がでてくるからです。 では次回は究極の統合型のERPパッケージについてみてみます。